英語で「万が一」ってどう言う?やわらかく伝える言い方【4選】
日本語では自然に言えるのに、英語になると少し迷ってしまう言葉ってありますよね。そのひとつが 「万が一」 です。何かをお願いしたり、予定を共有するとき、大きすぎる心配ではないけれど、「もしものために」言葉を残しておきたい瞬間があります。英語でも、そんな“やわらかい保険”のような言い方があります。
ここでは、日常でも仕事でも心地よく使える「万が一」の英語表現を、ニュアンスの違いと一緒に紹介していきます^^
英語には「万が一」という単語はない?
まず知っておきたいのは、英語には日本語のように、一言で言い切る「万が一」という単語はないということです。代わりに、状況や気持ちに合わせてフレーズを選びます。英語では、慎重さよりも配慮や柔らかさ が意識されるのが特徴です。
よく使う表現と直訳ニュアンス
If by any chance 〜
直訳すると「もし、どんな小さな可能性でも起きたなら」という意味になります。すこし遠慮があり、控えめに可能性を触れるときの表現です。
- If by any chance you can’t come today, just let me know.
(万が一来られない場合は教えてくださいね。) - If by any chance you need help, feel free to ask.
(万が一困ったら遠慮なく言ってね。)
優しくて丁寧な響きがあります。
日本語の「チャンス」は、“ラッキーな機会” や “良いタイミング” を思わせる言葉ですが、英語の chance はそれとは少し違って、「起こる可能性」や「確率」を表す意味でよく使われます。そのため、If by any chance〜は、「もしほんのわずかでも〜な可能性があるなら…」という控えめで丁寧な表現になっているんですね^^
Just in case
直訳すると、「そのケースが起きた時のために」という意味になります。こちらはとてもよく使われる表現。軽く言えます。
- I’ll take some cash, just in case.
(念のため、現金持っていくね。) - Bring a jacket, just in case.
(念のため、上着持っていって。)
“心配”というより、準備の感覚です。
In case 〜
直訳すると、「〜というケースを前提に、備える」という意味になります。説明的で、理性的な印象です。
- In case it rains, we should bring umbrellas.
(万が一雨が降るかもしれないから傘持っていこう。)
雨の可能性が低くても、言っておく、そんな距離感です。
If anything happens / If something comes up
直訳すると「もし何かが起きたら/もし何か事情が発生したら」という意味になります。この表現は、予定や連絡のやり取りでとても自然です。
- If anything happens, just text me.
(万が一何かあったらメッセージくださいね。) - If something comes up, let me know.
(万が一予定が変わったら教えてください。)
「相手の都合を尊重する柔らかいお願い」に使えます。
優しさを添えるクッション表現
英語では、文章の最後に添えるひと言で印象が変わります。
- No worries if not.(できなくても全然大丈夫だよ)
- Only if it’s convenient.(あなたが都合いいときだけでいいよ)
- If that works for you.(無理のない範囲でね)
たとえば、

If by any chance you need to change the schedule, no worries — just let me know.
これは「予定変更もOKだし、気にしないでね」という余裕を渡す言い方です。
日本語との感覚の違い
日本語の「万が一」には、慎重さ・丁寧さ・控えめさが含まれています。英語の場合は、それがもっと相手への配慮・自由・負担を減らす優しさに変わります。
つまり、
- 日本語:リスクに備える感じ
- 英語:相手の選択権を尊重する感じ
という違いがあります。
終わりに
- 英語に「万が一」という単語はない
- 表現は状況に合わせて選ぶ
- ニュアンスは
- If by any chance(控えめ)
- Just in case(実用的)
- In case(説明的)
- If anything happens(自然)
- 最後にクッション表現を添えると、ことばが柔らかくなる
言葉には、その言語が大切にしている距離感があります。英語で「万が一」を伝えるとき、それは心配を押し付けるためではなく、やさしく余白を残すため。次にメッセージを書くとき、そっと添えてみてください^^
